今年度より、私の職場である労働者協同組合ワーカーズコープ 北海道気候環境・小農森林プロジェクトの担当になり活動をしています。
10月8日、ワーカーズコープの組合員や地域の仲間が、普段の活動エリアを越えてつながり、環境や小農に楽しく取り組めるきっかけ作りとして野草を食べる会を開催しました。今冬にオンラインでお話し会を開催予定です。
タンポポの根っこがコーヒーになるって知っていますか?
自然食品や子ども用品のお店で見かけるタンポポコーヒー。カフェインレスなので、妊娠・授乳中に楽しむ方もいらっしゃると思います。
これが、今回手作りしたコーヒーです!
北広島市のシェアファーム・マイムさんで自然農を学ぶご縁で、主宰の青島聡子さんを講師に迎え、開催しました。

野草を切り口に、自然という世界が全て繋がり循環している体験
ガラス工房のあるニーウンペツの森は、小川が流れ心地の良い空間。この土地の野草の解説を聞きながら、香りと日差しに癒やされます。畑エリアで、セイヨウタンポポを見つけて、根を切らないようにそっと引き上げます。葉の姿から予想がつかない根の大きさや形、掘りあげる感覚に童心にかえりワイワイと楽しい声。



少し高い位置にある近隣の土地が開発で埋められてしまってから、水の流れや植生が変わってしまったそうです。「野草から健康や食とする野菜、そこから広がる土のこと、木のこと、道路のひび割れから気象の話し、森の話、海と農の関わりなどなど、切り口が野草なだけで自然という世界は全て繋がり循環しています」と青島さん。
会場の三島会館に戻って、歯ブラシで根を洗い、包丁でそぎ切りにしました。
一口食べてみると、ほんのり甘い…いや、苦っッッ!!震える苦さ…。身体の声が教えてくれます。遠い昔、タンポポの茎の中にある白い成分をなめたときと同じ苦さ!



根気が必要なのは焙煎。鍋を弱火にかけて乾煎りし、ひたすら根の水分を飛ばしていきました。
「野草を取っていると、野菜の何倍も栄養素が高いので、少しの量で満足する身体になりますよ。」「植物療法士として、野草を通じた人に伝える活動をしてみたい。」「身近に手軽にできることがあるんだ。」「みんなで何かを作り出すと、とにかく笑いが絶えない!」

根が手でポキポキと折れるくらいに乾いたら、ミルにかけて
粉にし、さらに茶こしでふるいました。粗い根はお茶に、粉
になったモノはドリップしてコーヒーに。


いざ試飲!浅煎り、中入り、深入りと、それぞれ異なる色合いと香り。
「あっ、ちゃんとコーヒーだ!!」酸味の香るコーヒーができあがりました。ホワイトチョコでコーティングされた、贅沢ルマンドとの相性抜群!
朝から畑で根っこを掘って、根気よく乾煎りしてようやくできあがったこの味をみんなで堪能できて、大満足でした。


先人の思いを大切に
講師の青島さんは、この土地を守り生き抜いてきた先人の思いを大切にされて、地域のお祭りを復活させる取り組みも行っています。
「この限界集落が、お宝の山に見える!」「小さくても一歩を踏み出す行動の積み重ねこそが道を作ることにつながる」というお言葉通り、農泊など農でつながるコミュニティーで人や動物・自然との共存を実現していきたいと仲間を集め行動されています。
おわりに
各自が暮らし、働く仲間へ、この経験と野草が伝えてくれたことを拡げ、自然と人とが共存する取り組みが各エリアで拡大することを願っています。
次回は冬に、オンラインでより広いエリアの組合員を対象に、地に根を張って生きる取り組みについてお話し会を開催予定です!