稲わらで縄を綯(な)って、しめなわ作り

  • 縄を綯うことに込められた祈りとは?
  • お正月にしめ縄を飾るのは、どんな意味があるの?
  • 稲わらからどうやってしめ縄を作るんだろう?

この記事は、そんな疑問を持つ方にオススメです。

目次

共生農を学ぶシェアファーム・マイムで講座を受けました

講師はエコビレッジライフ体験塾の伊藤さん。ワラや縄細工、本や縄文土器を持ち込んで教えて下さいました。

縄を綯うことに込められた祈りとは?

1万6千年程前の縄文時代。これまで自然の物で生きていた人間が、縄を綯って道具を作ったことは革命的なことだったそうです。

縄そのものが神聖な物として扱われ、土器に写し取られ縄文土器になるなど、
縄を綯うことは、祈りに近い行為だったということです。

自然の中に身を置いて、土に近い暮らしをすると、人間ってなんてちっぽけなんだ、できることは祈ることくらいだ、と感じることが多々ある、とのことで、わら細工や土器を間近に見ながら、思いを馳せました。

お正月にしめ縄を飾るのは、どんな意味があるの?

稲作が伝わってからずっと後、最近になって(それでも1300年前くらい)、稲わらを使ってしめ縄が作られるようになったそうです。

しめ縄はお正月が開けたあと焼いてしまうので、資料としてほとんど残っていないようです。

神聖な縄で、住まいをぐるりと囲んで、その場所に悪い物が入らないように祈りを込める。
それを小さくして玄関などに飾るようになったのが、しめ縄の意味なんだそうです。

それを知ると、インテリアの1つと思っていたしめ縄の見え方が変わってきました。

稲わらからどうやってしめ縄を作るんだろう?

1.わら選(すぐ)り

わらを1本ずつ手に取り、汚れた外皮を除いて、縄の材料になるものを選んでいきます。水で濡らし手で揉んで柔らかくします。

今回使った、ゆめぴりかのわらは、改良が進んだ品種なので丈が短いそうです。

原種に近いほど、稲わらの丈は長くて、縄用にワラを取るために栽培する品種もあるそうです。

2.縄を綯(な)う 右綯い

6本のわらを半分に分け、それぞれ同じ方向にねじっていきました。ねじってできた2組を、今度は反対方向にぐるぐると巻いていくと、手を離してもほどけない縄ができていきました。

巻いていく方向に、大きな意味があるそうです。
右に巻くのは草鞋など普段使いの物、左に巻くのはしめ縄など神聖な物に使います。

3.縄を綯(な)う 左綯い

しめ縄に使う縄は、21本のわらを選って、3つに分けたうちの2つをつかって左綯いの縄にします。

残った1つも左にねじっていき、先に作った縄のねじれに沿うように絡めていくと、1本のしめ縄ができました。

4.板ずり

縄を綯ったら板の上で転がしていくと、全体の浮きがなじんで見た目もよくなります。

娘は他の人の縄も受け取って、板ずりを担当していました。

その後、はみ出したり切れたりした部分をハサミでトリミングして整えます。

4.整形、完成

しめ縄を丸くして紙をはさんだり、のの字の形にして水回りの飾りをつくったりして、完成です。

おわりに

季節の行事の意味を知ると、暮らしをもっと楽しむことができます。

土に触れることからはじまり、手作りのもので暮らしを彩ることを教えてくれた、シェアファーム・マイムの仲間の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

春からお世話になった三島会館の大掃除にも少しだけ関らせてもらい、今年の共生農の「〆」となる時間でした。

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