イベント開催の2週間前になり、申込者が定員の半分もいない、ほとんどいない、ということがあります。イベントの企画に慣れてきても、人が来てくれるか、毎回ドキドキしてしまいます。
イベントに人が来ない…と悩む方の、こんな疑問に答えます。
- 誰に向かってお知らせするの?
- 本当に来てほしい人に伝えるには?
- 告知ってどんな方法があるの?
- 協力してくれる人を見つけるには?
- 人が集まらなかったらどうしよう、と不安を感じたら
このようなお悩みをもつ方に、12月1日(日)開催『ごちゃまぜレク ~障がいがあってもなくてもいっしょにあそぼっ!~』での実践をもとに、告知の秘訣5選を解説します。
誰に向かってお知らせするの?
答え
「こんな人に来てほしい」をはっきり思い描く。その人が目にしそうな場所・方法でお知らせしましょう。
理由
対象をはっきりと思い描くことで、チラシなどのデザインや添える言葉に、力強い思いを乗せて伝えることができます。あいまいだと、人が目にしても多くの情報の前に通り過ぎていってしまいます。
具体例
このイベントの対象は、子育て中の方、障がい児の家庭、教育関係者を思い描きました。
障害があってもなくても、自分らしい生き方がしたいと思う方へのメッセージを、チラシに込めました。
託児と手話通訳で、対象の方が参加しやすくしました。
対象を「どなたでも」とせず、「未就学児~大人まで」と表記して、一人でも親子でも参加OK としました。
チラシのデザインは、ゲストが好きな色(黄色、ピンク、水色)をヒアリングして、外注のイラストレーターさんに依頼しました。
親子に向けた温かいイメージとなるように、暖色メインにして、ポップなアクセントカラーを効かせるように工夫していただきました。
とは言っても…
街かどのポスター、個人に配るチラシ、SNSで見かける画像や告知文、情報誌、新聞、テレビにラジオ。
たくさんあってよくわからないし、集客に時間と手間をかける余裕がないこともあります。
結論
来てほしいと思い描いた人。その人に届く告知方法を、一番に優先して行いましょう。
その後は、苦にならない方法で、できるところを試してみると良いと思います。
本当に来てほしい人に伝えるには?
答え
広く伝えた後で、来てほしい方へ個別にお誘いしましょう。
理由
このイベントが、自分に向けられたものだと気づかない場合が多いからです。
具体例
申込みをされた方から、こんなメッセージが添えられていました。
「私は、健常者です。定員オーバーしている場合、優先すべき方を優先してください。」
このイベントは、障がいがあってもなくても対象者です。いっしょに遊ぶことで、自然と理解を深めることを目的にしていることを、繰り返し伝える必要があると感じました。
とは言っても…
誰かに個別に知らせて断られるのが怖い、と躊躇してしまいます。
一方的にお知らせを続けている場合だと、なおさらです。
結論
グループなどに広く伝えた後に、個別にお知らせすると、自分に向けられたイベントだと気づいてもらえて、予定を調整して参加してくれることがあります。
告知ってどんな方法があるの?
答え
『ごちゃまぜレク』では、子育て中・障がい児家庭・教育関係者の目に触れそうな場所を選んで告知をしました。
チラシ2000枚
- 町内会回覧(1000部)
- 一部の小学校、特別支援学校から家庭へ配布(350部)
- 障がい児の高校進学を実現する全国交流集会in旭川 資料に入れ込み(300部)
- 市民団体『どんなに障害が重くても地域の学校へ』会報に入れ込み(100部)
- 親子向けのカフェ(50部)
- 文教大学のボランティア学生に配布(担当教授に依頼)
- 恵庭南高校定時制『夜な夜な会』参加者に配布(担当の先生に依頼)
ポスター30枚
- 恵庭市教育委員会の後援を受け、市内全小中学校へ
- 北海道と恵庭市の後援を受け、市役所、市民・町内会館、多目的施設、図書館
- スーパーマーケット、小児科クリニック、札幌など近郊の総合病院、大学病院
- 発達支援センター(恵庭市・南幌町)
アプリやメールでの一斉配信
- 幼稚園 2ヶ所(保護者を通して依頼)
- 発達障がいなどの保護者グループLINE 3ヶ所 150名
- 社会教育関係のグループLINE 2ヶ所 50名
- 自立支援協議会に所属する放デイなど88団体へメール配信(障がい福祉課に依頼)
メディア関係
- 生活情報誌ちゃんと にイベント情報掲載(恵庭市・千歳市に戸配)
- プレスリリースを報道機関へ一斉配信(広報課へ依頼)
- FM e-niwaの番組で告知(11月20日17:00過ぎに出演予定)
- 北海道新聞の後援を受け、千歳恵庭版の紙面に掲載(2024年11月15日)
とは言っても…
色んな方法がある中で、何が効果があるのかわからないと思います。
結論
イベント後にアンケートを取って、「何を見て知ったのか」をリサーチしましょう。
今後、何を優先すべきかが見えてきます。
協力してくれる人を見つけるには?
答え
「こんな社会だったらいいな」を思い描きましょう。共感してくれた方が、手を差し伸べてくれます。
理由
色々な理由で、苦しんでいる人がいます。理由はそれぞれでも、変わってほしい社会の姿が同じなら、所属先の団体や学校にかけあってくれたりするなど、協力してくれます。
具体例
障がいのある子を普通学級へと実践する人は少ないため、協力してくれる人がいるのか不安でした。
そこで、次のことを仲間にも伝えました。
- 障がいを乗り越えて人生を楽しんでいる人がいることを知ってほしい
- イベントの存在だけでも広く知ってほしい
- どんな学校を選んでも、地域で生き生き暮らすことについてみんなで考えたい
すると、チラシを施設に持っていく、配布先を考える、事務的な準備を手伝うなど、仲間が協力してくれました。
とは言っても…
人にお願いするくらいなら、一人でやる方が楽だし早い…。そんな事もあると思います。
結論
人に頼むことが苦手でも、時間がかかるようでも、誰かに頼ってみることをおすすめします。
なるべく多くの人が少しずつでも関わることが、知ることの第一歩。社会が変わるきっかけになるからです。
人が集まらなかったらどうしよう、と不安を感じたら
できる限りの手を尽くせば、悔いが残りません。企画を進めてきた仲間と、濃い時間を過ごしましょう。
まとめ
- 「こんな人に来てほしい」と思い描き、その人が目にする方法で知らせましょう
- 「広く」「個別に」繰り返し伝えると、自分のためのイベントだと気づいて、来てくれることがあります
- 変わってほしい社会の姿を描いて伝えると、共感してくれた方が少しずつ協力してくれます。
- できる限りの手を尽くせば、悔いが残りません。
「インクルーシブな社会は、いっしょに遊び・学び・働く地域での暮らしから」
その願いを胸に、発信を続けている私の経験が、悩んでいる方のお役に立てると嬉しいです。